なんななナンセンス

益体もないナンセンスなことを、ある程度は掘り下げて考えた

東京五輪新種目「砲丸投げ自由形」

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古代より戦争で投石は簡単かつ強力な攻撃方法でした。時が移ろいだ現代、石は鉄の玉になり、投げるのは人間から機械へと合理的な進化を遂げています。

ルーツを同じくするオリンピック投石種目も、そうあって良いはずです。石をより速く、より遠くへ。もっと合理的で自由に投げさせてみてはいかがですか。

砲丸投げが、たとえ最新軍事兵器の見本市になろうとも。

パワードスーツ着用

エイリアンでリプリーが乗った工業用のパワードスーツが実在したらロマンチックですが、介護補助用に人間の動きをアシストするパワードスーツは市販されています。その用途をスポーツ向けにカスタマイズして、砲丸投げに特化させましょう。

腕のパワーとスピードを飛躍的に向上させて、精密なコントロールを実現するため手首と指には半導体製造用のマニュピレーターを搭載。少しでも飛距離を伸ばすために腰部分の回転運動もアシストします。

最高記録を出すために必要な動作パターンはすでにスパコンで演算が終わり最適化されています。そのため、スイッチオンでパワードスーツが自動的に投擲することも可能。もはや選手が搭乗する必要さえないようですね。

銃火器使用許可

そもそも鉄球を飛ばすという行為が、まんま大砲そのものです。大きさと形状か若干違い、飛ばすスピードを変えただけで、ピストルもスナイパーライフルも対戦車砲も機関銃も同じ競技をしているといえます。クレー射撃と砲丸投げの違いは、的があるかないかに過ぎません。

なにせオリンピックは平和的なスポーツですから、兵器のスペックに用いられる有効射程は関係ありません。人や物を殺傷するわけではないので。競うのは既存の砲丸投げと同じく、あくまで飛距離。

ルパン三世の愛銃ワルサーP38の有効射程は約50mですが、単純な飛翔距離となると射角によりますが軽く1キロメートルは超えます。仮に放物線を描いて1,500m先に着弾したら、それが砲丸投げ自由形の投擲記録となります。

戦艦大和の主砲は仰角45度で42キロ先に届いたそうです。もはやスタジアムに収まる競技ではありませんね。砲弾、いえ砲丸だけで1.4トンあり、砲塔全体の重量が約2,500トンに及ぶとか。オリンピック会場以前に、そもそも開催国に宣戦布告と見做されることなく銃器を搬入してしかも実弾をぶっ放しても戦争にならないなら、これほどの平和的なスポーツはないでしょう。

レールガン使用可能

今後、国連決議や各国間の条約締結によりスポーツにおける火薬の使用を禁止される可能性があります。平和の祭典なのだから当然の成り行きですね。

そこで次世代の砲丸投げ自由形として考えられている投擲手段が、超電磁砲。電磁気力を使って物を超高速に飛ばす仕組みで、火薬は一切存在しません。いわゆるレールガンと呼ばれています。膨大な電力はオリンピックスタジアムの家庭用コンセントから供給されます。実用化されればコンピュータ制御で最大射程を叩き出せますから、女子高生にだって砲丸投げ自由形の金メダルも夢ではないでしょう。

なお、地球上では理論上の無限射程を誇るレーザー照射系兵器は肝心の砲丸が含まれていないため等競技では使用禁止。コロニーレーザーの搬入はお控えください。

東京五輪新種目「段違いに段違いな段違い平行棒」

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段違い平行棒は競技は、さらなる高みへ(物理)

段違い平行棒は段違いなのだから、走り高跳びに匹敵する高低差であってしかるべきでしょう。規定でバーの高さは170cmと250cmですが、これでは単なる段違いにすぎず、段違いに段違いであると胸を張って段違いっぷりをアピールすることはできません。

自己申告制の棒間隔

しかしどれだけの段差を段違いと感じるかどうかは人それぞれ。そこで、段違い平行棒をどれだけ段違いな高さにするかは選手の自己申告制とします。直線間隔180cmの上限はナンセンスなので撤廃します。規定以上の高低差をつければつけただけ高得点を得られますが、身の丈に合わないほど段違いに高く申告すると肝心の演技が疎かになり総合得点が伸びません。

旋回次第で高度を稼げる

鉄棒の大車輪回転をご覧になってわかる通り、スピードをつけてから手放し技で上方向へ跳ねると驚くほど高い位置まで上昇できます。理論上は身長を超えるピークの高さまで段違わせることができますが、次の演技に問題なく繋げられるかは個人の技量による所が大きいでしょう。

身の丈に合った段違いさを

平行棒を高くすればするほど滞空時間を長く確保できますので、終末技により多くの回転やひねりを盛り込むことができます。加速が足りなくて上段のバーに手が届かない危険を伴う諸刃の剣。しかし挑戦することに価値がある。無様な落下を恐れず、段違いに恐れ知らずなメンタルを活かして段違いに段違いな段違い平行棒を制圧しましょう。

東京五輪新種目「ボクシング札束級」

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ボクシングは魂と魂のぶつかり合いです。

具体的には、こぶしとこぶしの殴り合い。ですが素手ではなくバンテージを巻いた上にグローブを装着して殴ります。

でもこれはあくまで結果論。

命をかけて、魂を削って、身を粉にして働いて、そうして稼いだお金は魂の一部。

だからお金そのもので殴り合うことは至極当然だと思いませんか。

本物の札束で殴りあう

札束で殴るというと、経済力をひけらかす比喩として表現されます。オリンピックに比喩なぞ不要。文字通りバンテージ代わり、グローブ代わりに武器として拳に巻いて殴り合って頂きましょう。

さながら投資合戦のようですね。買収するかされるかの瀬戸際。資金力こそ戦闘力。札束で殴られた経験がある方は稀かもしれません。あれは痛いですよ。精神的な意味でね。

自国通貨を使用

ボクシングに使用する札束の通貨は、国際色豊かなオリンピックですから自国の通貨を見せてもらいましょう。考えてみれば、ほぼ全世界が一堂に会しているのにどんなデザインのお札を使っているのか一度も見たことない国が多すぎます。良い機会なのにね。

攻撃力は為替相場に準じます。円高なら円は強いし、ジンバブエドル安だとスライムに1のダメージも与えられません。もうジンバブエドル、廃止されましたけども。

物理的に痛くなくても、ジャッジ判定時に有効と見做された攻撃価額が積算されて比較されます。オリンピック開催に合わせて為替操作し、自国通貨が割高になるよう大規模介入する無茶な国もあるほど。

ボクシング札束級。日頃のFX取引でダメージを被っている人ほど見るに堪えない経済的に過酷な競技。タオル投入という名の強制ロスカットを怖れることなく、札束の往復ビンタを高みの見物しましょう。