なんななナンセンス

益体もないナンセンスなことを、ある程度は掘り下げて考えた

リアルシーソーゲーム「坂サッカー」東京五輪新種目


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試合が進むほどフィールドの傾斜がキツくなる新競技「坂サッカー」。サッカーは坂と似ているのに坂でやならいのはおかしい、という全世界から絶えない疑問の声に応えた世界坂サッカー連盟FISAが主導して2020年東京オリンピックに導入する運びとなった。

「さか」の「さっかー」なんてくだらない駄洒落だと切って捨てたい気持ちは分かる。だがちょっと待ってほしい。坂サッカーのフィールドは札幌ドームのホヴァリングサッカーステージのように巨大な架台に乗せられた状態にある。左右ゴール方向に配置された無数の油圧ジャッキ群が電子制御されて、試合中にセンターラインを支点にしてシーソーのように傾斜する。

天然芝上にオリンピック公式サッカーボールを置くと、ひとりでに転がり始めるほどの傾斜を人工的に造り出せる坂でサッカーが可能となる。当然、転がるに任せてほっといたらゴールまで辿り着いてしまう。誰も蹴っていないのでオウンゴールですらない。両チーム誰も触ってないのに自力でゴールしてしまったら何ウンゴールと呼ぶのだろう。

ゲーム開始、キックオフのために置いたサッカーボールが蹴られる前にひとりでに転がっていくナンセンスさ。ロスタイムは大統領選開票前後のロウソク足がごとく足元の地面が乱高下する。上側からゴールキーパーが味方に放ったロングパスが伸びに伸びて下側の敵ゴールにダイレクト。

幻の「キーバーゴール」も日常茶飯事だし、坂シーソーが揺れるタイミングによってはボールのように選手自身がアーチを描いて跳ね飛ばされ、自分の身体をゴールネットに食い込ませてしまうだろう。これが本当のオウンゴールだと言えなくもない。坂サッカー競技でしか拝めない名物プレーとなっている。