なんななナンセンス

益体もないナンセンスなことを、ある程度は掘り下げて考えた

異世界に飛ばされるアニメにありがちな共通点7選


f:id:nan7net:20110618112840j:plain ひょんなことから異世界へ迷い込んだり送り込まれた主人公には共通点があります。

こうも展開が同じくなるもんだなあと感心します。他の異世界アニメと差別化を図りたいクリエイターはここにあるテンプレートを避けるか、逆に世界一のベタ展開を追求すると良いでしょう。

なお、異世界アニメとファンタジーアニメを混同していることがあります。この退屈でつまらない現実世界と対照的な剣と魔法の煌びやかな世界に飛ばされるのが異世界アニメです。

一方、初めからファンタジー世界で物語がスタートし、最後までずっとそのフィクション世界に居続けて現代社会という存在が登場しないのがファンタジーアニメです。この辺の呼び方やカテゴライズは人やクラスタによって揺れがあると思います。

1. 主人公が最強で無双する

アニメの主人公が強くなくて誰が強い必要があるのでしょう。

最初は強くないことが多いですね。起承転結全てにおいて最大最強で居続けるのは稀。

大抵、世界を救ったり滅ぼしたりできる程度の潜在能力的な力を秘めています。で、それを解放するトリガーとして大切な仲間が死んだり、代償に自分の他の能力が失われるとかありがちですね。

2. 女の子に囲まれるハーレム要素満載

冒険の行く先々で出会う女の子の心を次々と落としていきます。幼女から老婆まで、年齢問わず。

いえ、女性には限りません。主人公が男なのに、仲間や敵の男性のハートまで鷲掴みにします。

さらには人間にすら限りません。異種族であるフェアリーやドワーフ、ついにはスライムやミノタウロスみたいなモンスター娘にまで手を出します。

手を出すというか、向こうから好意を持って寄ってくるのです。あー、チョロいわー。

3. 現実世界では質素、非モテ、童貞

現実でモテモテイケイケ、カワイイ彼女あり愛人あり、もちろん非童貞、金持ちで成績優秀、誰からも好かれる完璧青年が主人公なら? 異世界に行く必要が全くありませんね。どうぞそのままリアル世界でありきたりで完璧な幸せを謳歌してください。

童貞でバカで女の子と手も繋いだことはおろか滅多に会話する機会もなく今後その望みもないフツメン以下の無価値男子。キミこそひょんなことから異世界へ飛ばされるに相応しい。

パッとしない鬱屈した現実から異世界に紛れ込み、そこで現実と真逆の待遇を味わってほしいと心から願います。

4. 現実世界でも強くなる

異世界からこの現実に帰ってきた主人公は強力な技や魔法こそ使えませんが、精神的に強くなりました。

考え方が変わったり、悩んでいたコンプレックスとか人間関係も改善します。さらに何故かリアル女子にもモテ始めます。

まるで週刊誌の裏にある怪しい水晶ブレスレットのように良いことずくめですね。ダメ人間を矯正するには異世界へ突き落とせば良いと言わんばかりです。

もしかして異世界ハーレム俺TUEEEEEな一人の主人公の影には、異世界デビューに失敗して能力を得られず失意の中で現実へ戻っていったボツ主人公が多数存在するのでしょうか。

5. 現実のヒロインも異世界に来る

幼馴染みとか、転校してきて最初に偶然ハダカを目撃された女子。初めから仲が良いわけではなく、異世界での冒険を通じて次第にお互いが特別な存在になっていくパターンが容易に想像できます。

主人公同様にヒロインも異世界で強すぎて無双する…とは限りません。現実の学校で一番頭が良くて可愛いと評判の才色兼備ガールが、異世界に来た途端に役立たないポンコツと化し、水を得た魚のように最強になった主人公に助けられて簡単に心を奪われるチョロいヒロイン略してチョロインに成り下がるケースが往々にしてあります。

当然、仲良くなった二人は現実世界に戻ってもそのまま付き合い続ける…とも限らないのが異世界アニメの面白い所。現実でヘタレなままならヒロインに容赦なく幻滅されて一生ぼっちのままとなります。さまあ。

6. 謎の生き物が巨大化する

異世界に住むマスコット的な架空生物はかわいい。普通にかわいいだけでなく、仕草に愛嬌があったりキモかわいかったり、ゆるキャラ的な魅力を持ってたりします。

だいたい初対面の主人公を敵と勘違いしてヒロインを守ろうと登場するが虫を追い払うように相手にされず、逆に「ピーちゃんをいじめないで!」とヒロインから庇われる弱々しい存在です。

しかし終盤にかけてヒロインに危機が迫るにつれて真の能力が覚醒し、可愛らしい姿から一転、ドラゴンみたいな仰々しい可愛くない形態に変身。「これがあのピーちゃん?!」とヒロインからもドン引きされつつ戦うのが異世界のテンプレートです。

でも最終的にオイシイ所は主人公が全部さらっていきます。むくわれないね。

7. ラスボスも巨大化する

クライマックスで主人公の力もほぼほぼ覚醒が完了しています。追い詰められたラスボスは苦し紛れにとりあえず巨大化します。禁断の術や薬とか悪魔的な存在と契約するとか、まあ使うならもっと最初に使っとけよと思わずにはいられないタイミングで無駄に巨大化します。

絵的に映えますし、よくわからないけど強くなったっぽく見えて盛り上がりますよね。しかし、もはやラスボスからは明らかに冷静な判断力が失われています。

巨大化、とまではいかなくても変身して人間の姿をやめたりします。元々モンスター系のラスボスなら人間の力を手に入れたとか何とか言って人間化し、それが仇となって主人公達に負けます。

巨大化が負けフラグだということに、ラスボスは今後も永遠に気付かないでしょうね。

  他にも異世界アニメに共通する点は色々ありそう。黒幕が声優でモロバレとか。ヒロインは炎系のツンデレで最初に着替えシーンをラッキースケベしてしまうとか。

同ジャンル内の多数作品間に共通する部分を見つけることって余程だれも気付いてなかったような鋭い内容じゃなければナンセンスだと一蹴されがち。で、何が言いたいの? と煽られても返す言葉がないか、あってもそれもきっとナンセンス。

しかも今挙げたベタな7つを全て含まないユニークな異世界アニメに仕立て上げても、それが評価されてヒットするとは限らないんですよね。