美味しくても毎日同じ食べ物は飽きます。空気は全然飽きませんね。
綺麗な空気だけを追い求める空気グルメ、エアグルメという趣向があります。綺麗な空気限定なので、グルメ…というよりも綺麗な空気愛好家に近いですが。
こってり料理だけ食べてると、あっさり系も食べたくなるもの。三ツ星の一流料理も食べつつ、ご当地Ｂ級グルメにも舌鼓を打つ。
キャンプのバーベキューで焼いた川魚は砂や生水が付着してて不潔だし、焦げてたり生焼けで味的にも若干問題アリですが、とっても美味しい。
様々な空気の味わいを楽しんでこそグルメ。埃っぽくても不快指数が高くても、味わい深い空気に魅力を感じます。
楽しげな空気と修羅場の空気、ムショとシャバの空気。みんな違って、みんないい。
あ、何もかも台無しにするタバコの煙はＮＧ。臭い、健康、子供、マナー、料理の味。エアグルメなもので。
体育の時間前にみんなが着替えていた女子高の教室の空気
共学制だったので嗅いでみたい。くんかくんか。 思ってるほど良いニオイじゃないよ、と言いたそうな女子高出身者が目に浮かびます。
男子校の空気？ それ、味わい深いの？
しんかい6500で深海6500メートルを漂っているときの船内の汗臭い空気
人類が到達できる最も低い場所で嗅ぐ空気は、汗臭い。 まずそこに行く機会を得るまでの経験も味わいたい。
巨額の不良債権が発生した銀行で対策検討のため全国の頭取が一同に会した本社会議の重苦しい空気
ここで空気を読めず笑けてしまったら社会人として非常にまずいことになる。 どんな決定が下されても今後数か月は気が重い毎日が100％続きます。酸素ボンベ持参していいですか。
扉の向こうで自分への悪口大会が始まって出るに出られなくなったトイレの個室内の空気
まじか。え、そこまで言っちゃうん。ショック。スマホで録音しとこ。
ほぼ満員電車で近くのおっさんが立て続けに咳とクシャミをした時その隣にいた女子高生が瞬間的に息を止めたけどすぐ苦しく堪えきれなくなって肺に貯めてた息をとうとう一気に吐き出した空気
ただしおっさんの唾液飛沫はノーサンキュー。
都市計画の変更で人知れず閉鎖された地下道の空気
札幌にはこういう閉鎖空間がいくつか存在するので気になっている。わくわく。東京にはもっと無数にあるんだろうな。
一般人は入れませんが、足元の下で確実に存在する激レアな空気です。
母校で立入禁止になってた屋上の空気
アニメの中じゃ当たり前のように学校の屋上へ出られて遊べたりイベントが起きたりと楽しそう。地方や学校の方針によるかもしれませんが、母校の公立中学校や市立高校は開かずの屋上でした。危険だとか、そんな理由だったのかな。今は進む学校統廃合でもう屋上はおろか母校自体どうなってるか…
もう絶対に味わえない。レアを上回るプレミア級の空気。
きっと美味しいとか爽やかとかそういうわかりやすい味じゃなく、色々な経験や感情、過去と未来への想いが混ざった複雑な味がするはず。
