なんななナンセンス

益体もないナンセンスなことを、ある程度は掘り下げて考えた

RPGセリフ特区でゲームをロールプレイしよう

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ゲームの世界に入って冒険してみたい。

誰もが一度は思い描く妄想ですね。

もうすでにゲームの中にいて生活している?

何もいうことはありませんね。

どうやってゲームの世界に入ったのか、是非お聞かせいただきたい所存です。

子供の頃だけでなく、大人の今でも思い描いている。

そんな夢見る大きな少年少女のための特区です。

RPGセリフ特区に入るためには、グリードアイランドのソフトも、ログアウト不可能なナーヴギアも必要ありません。

ほんのちょっと住民票を移すだけ。

それであなたはゲーム世界のセリフを話すキャラクターになることができます。

(主人公になれるとは言ってない)

話しかけられたら、セリフを言う義務

セリフは毎月、あなたの家に回覧板で回ってきます。

そこに書かれた自分のセリフを、人と話す前に必ず声に出す生活を心がけてください。

駅前にお住まいの人には、ここは札幌という村じゃよ、といったいかにも村人Aのセリフが与えられます。

千葉の某テーマパークのようなイベント発生エリアの近くなら、ここから先は何が起こるかわからないから気を付けてね、などと装備を整えて宿屋に一泊したくなるメッセージを伝えるハメになります。

実際にホテルに泊まって、お楽しみだった昨夜をフロントの人に冷やかされるのはイベントの後ですけど。

「大通駅へ行くにはどうしたらいいですか?」

と冒険者、じゃなかった旅行者に道を尋ねられても、

「札幌はジンギスカンが美味しいのよねっ」

と的外れに答えなければなりません。

これが特区に住む住人のノルマです。

ただし、仕事やお店までこれではさすがに生活に支障がでますので、最初の一言だけで結構です。

規定のセリフを言ってノルマを消化したら、二言目にはぜひ丁寧に大通駅までの道順を教えてあげていただければと思います。

自分のセリフに隠された秘密とは

勇者だろうと通行人だろうと、人から何を聞かれても基本的にセリフ自体は変わりません。

ただ、物語性を左右する重要人物の役が回ってきたときは、選択肢を与えて選んでもらい、それに対して用意された台詞を答えたりします。

このRPGセリフ特区では、漫然とゲームっぽいセリフごっこをしているのではありません。

そう、シナリオが存在しています。

特区を管轄する自治体が依頼するシナリオライターによって用意されたちゃんとしたシナリオがあり、その進行に基づいて特区内の住民にセリフが割り振られています。

しかし、たとえ特区に住んでいる私たち一般人といえど、そのゲームシナリオの全貌を知ることはありません。

魔王の城の手前にある村の住人が、実は魔王が勇者の父親だったなんて知っているはずがないでしょう。

我々は、実際のゲームと同じように自分のセリフの意味を知ることがないままに、日常生活を送るしかないのです。

と、もやもやしたままでは住人たちにとってもセリフの演じ甲斐というものがなくなるでしょう。

ご安心ください。

月末には、シナリオの全貌、そしてエンディングが明らかになります。

人気シナリオは実際にゲーム化、アニメ化が決定

毎月のエピソードは、セリフ特区公式ホームページ上で公開され、誰でも閲覧できます。

特区の住人たちが生活の中で、何度も実際に声に出したセリフがそのまま使われた小説のようなものです。

まるで本当に、その世界の中の一員になったかのような追体験ができて感動したと好評だとか。

あの時のセリフに、世界の謎を解く重要な手がかりが隠されていたとは・・・っ

ぱふぱふできるお店がこの先のススキノ村にあるぞい、と気軽に教えていたが、まさかススキノ村にラスボスがいたとは・・・っ

自分が物語の中でどんな役割を与えられているのか最後までわかりません。

それが逆に、特区の住人にとって月末までワクワクして暮らせる工夫でもあります。

やばい、自分で言っててなんですが、ほんとに住みたくなってきました。

セリフ特区、楽しそう・・・。

そして、公開されたシナリオが内外に反響して人気が出ると、リアルにゲームやアニメに展開します。

なお、その収益は特区の税収になる模様。

特区の住人に出演料?

あ、声優としてアニメに出れたら普通にもらえますよ。

プロでもない人には、超狭き門かと思いますけど。

なお、セリフを演じた希望者には、シナリオのどの台詞が自分だったかを特区公式サイトで公開することができます。

「そなたの父親は、まお・・・・ぐふっ」と残して倒れた村の長老が、実際は何丁目の何々さん(仮名)かをアピールすることが出来ます。

これは特区の住人ならではの特典といえますね。

特区がそのまま聖地に、しかも何度も

アニメやゲームの舞台となった街は聖地と呼ばれて、信者による聖地巡礼の対象となるのが流行りです。

セリフ特区も例外ではありません。

聖地で実際に演じられた物語が、あとからアニメ化するわけですから、なんか一般的な聖地化とは違う気がしますが。

アニメ化がヒットした暁には、心を打たれたファンの皆様が大挙して巡礼にくることが予想されます。

それを見越して特区は総出で作品のグッズやお土産をご用意いたします。

他の聖地と決定的に異なる点は、すべてが期間限定だということです。

そもそも1ヶ月が過ぎてシナリオ公開が済んだ翌月は、別のシナリオが、場合によっては世界観も全然違う別作品が始まっています。

アニメ化が決定し、実際に1クール放送され、人気が頂点に達する頃。

聖地では全く異なったシナリオがリアルタイムで進行しているわけです。

信者が巡礼に来る頃、特区が別作品に染まっていては戸惑ってしまいますね。

そこで、人気が出た過去のシナリオを特区で「再放送」する仕組みがあります。

再放送期間中は街が人気アニメと同じセリフ、同じシナリオでもう一度、演出されます。

ファンを迎えるための、リアル聖地らしさに溢れたおもてなしですね。

その1ヶ月が過ぎると、また新しいエピソードに街が包まれます。

ちょっと寂しいですね。

新作シナリオがヒットしたらまた別の聖地になって。

逆に面白さがイマイチでも、翌月には新しいシナリオで、新しいセリフが回覧板で回ってきます。

何もかも、RPGセリフ特区でしか体験できません。

ここらしい、まるでゲームのような一風変わった日常生活ですね。

かっこよくないセリフだった1ヶ月もありましたが。

おかしいですね、よく覚えていないようです。