バブル。バブリー。
懐かしい? 羨ましい? 何それ? どれかで年齢が分かります。
バブルとは、カンタンに言えば資産価格が実体よりも大幅に高騰することでしょうか。土地やマンションの価格が上昇する不動産バブルが有名ですね。ITバブルなど特定の株式も暴騰します。そして規模が大きくなると、他の業種に波及してバブル景気に繋がる。
一方、動産というかモノにもバブルはあります。オランダでチューリップの球根バブル。少し前まで原油・石油バブルでした。昔の日本じゃ食べたり毛皮のためにウサギバブルなんてのも。
まったく。最近は国単位で上っ面のバブル抑制策を打ち出した上で何でもかんでもガチバブル起こそうとしやがって。あ、失礼。その、バブル崩壊後の混乱による難民発生など間接的な被害も含めてとばっちりを食らう周辺国が心配ゆえに。
でも以下のような平和的かつ庶民的バブルなら経験してみたい。かも?
もやしバブル
もやしが超値上がりして高級食材に。 もやし一袋200グラムの価格が3,000円になります。実在する高級食材フォワグラの相場が100グラム1,000円以上ですから、
もやし炒め? そんなの、高級ホテルの最上階レストランか銀座の完全予約制隠れ家的フレンチでしか食べられません。 痩せててヒョロい男子をモヤシッ子なんて呼んだら、極上の褒め言葉ですから、喜んじゃいますよ。
大食いタレントのギャル曽根さんはもやしを使ってヘルシー節約もやしジャンボギョーザを発明されました。この低価格で素敵な料理が、もやしバブルの到来で節約にならなくなるなんて困ってしまいます。
庶民の救世主として今後とも願わくは格安食材であり続けてくれると助かりますが、もやし農家様には申し上げにくい話。
第2ボタンバブル
第2ボタンは宝石。
卒業式は第2ボタンの玉手箱や~。女子から相手にされなかった非モテ男子でも、卒業式後には女子という女子が群がり、取ってつけたコンビニスイーツのような告白を経て制服の第2ボタンが強奪されます。
今までロクに話したこともない他クラスの女子数人に飛びかかられて、もんどりを打つ卒業式になるなんて思いもしなかったでしょう。しかもその99%が心にも思ってない迫真の演技。
お金がいらない女子なんていません。お金がいらない男子もいません。
まあ今は男子のことなんてどうでもいいのです。女の子がお金のために何でもすると思ったら大間違いですが、高く売れる第2ボタンのために好きでもない男子に迫真の演技で告白するくらいチョロいもんです。
ところで不動産バブルで値上がりする物件にも格差があります。この格差はバブルが訪れても、残酷な現実であることに変わりません。
イケメンの第2ボタンとフツメン以下の第2ボタンの間にある超えられない壁が、いつかなくなりますように。
ビールバブル
庶民の味方、格安でウマイお酒のビールが高騰します。350mlが一缶2,000円を越えて取引され、庶民の手が届かない飲み物になりました。
高額商品のため、スーパーのお酒コーナーには中身が無い空き箱が並べられ、レジで実物のビールと交換する必要があるとか。6缶パックなら1万円を超えますからね。夜間に店舗のシャッターを破壊して缶ビールだけを大量に奪っていく窃盗団が
発泡酒や第3のビールも一本1,000円を軽く上回る価格で贅沢品の仲間入り。プシュッ、っと爽やかな炭酸の音は滅多に聞けない。
値段を量とアルコール度数で割り算して、安く酔える順でコスパを計算するのは庶民の癖ですよね。え、そんなことしない? ちなみにお酒のコスパ最強は4リットルのビッグマンとか大五郎が代表的な焼酎かと思うのですが、もっとコスパ高いのありますか。 ウイスキーREDの4000mlも近いか、特売なら上回ってるかも。他、プライベートブランドの4L焼酎のほうが割安なことも…
は、いかんいかん、バブリーな話をしよう。
シャボン玉バブル
普通バブルと聞いたら思うことは一つ。飛んで弾けて消える、石鹸水が球状に形成されてふわふわしてるあれです。
氷点下の北海道とかロシアでは、宙に放たれたシャボン玉が急速に冷却されて凍り、固形のシャボン玉を確保できるそうです。ぜひ一度手にしたいものですね。
ITバブルとか不動産バブルとか、全く生ぬるい。お金に換算できないバブルこそ、真の意味でバブル。しかもシャボン玉は真の意味じゃなくてもバブル。完璧。
パリンパリン。
ソーシャルゲームの課金石を湯水、いやシャボン玉のごとく割る勢いで。
傘入れビニール袋バブル
ちょっといいデパートの入り口に設置されてる、雨で濡れた傘を
使い捨て傘袋、傘入れ、傘ポリなどイマイチ呼び方が定まらない商品です。全部入りなら中庸精神で
100枚入りで数百円から。業務用でまとめ買いならもっと低価格に。
こんなのが1枚何百円もしはじめるのだからバブルってこわい。
はっ。こんな規模じゃバブルっていうより、ただのインフレでは・・・。
いやいや需要と供給のバランス関係なしに傘袋の価値が上がるわけですから。
買い占めして品薄とか困ります。スーパーの床が傘から垂れた雨水でびしょびしょになって滑って転んだらどうするんですか。
これがバブルの弊害・・・恐ろしい・・・
貧乳バブル
ステータス、属性、などと言われるチャームポイントをポーンと通り越して、全人類が欲しい欲しいと熱狂するほど貧乳の価値が高騰します。もう毎夜涙で濡れそぼつ枕とはお別れ。
弊害、といっていいかわかりませんが巨乳を小さくする「小乳」「脱乳」整形もブームに。やり過ぎて「無乳」にまで到達し、貧乳バブルの恩恵を受けられない「貧乳難民」が発生。
まだ我々が気付いていないだけで、少し前まで「巨乳バブル」だったのかもしれません。今は様々な価値観を互いに認め合う時代なので、大きさ、形、色、弾力において一定数の支持者が存在します。
童顔幼児体型なのに胸だけ巨乳、といったリアリティに欠けがちなスタイルにも融通無碍にギャップ萌えしてくれるでしょう。
人々がそれぞれ自分のフェチの価値を高めていく。一億総マイ乳バブル。
だれも困る人がいないバブルこそ、理想のバブル。
愛の言葉バブル
バブルとは、将来の利潤を前倒しして受益しているにすぎない、との見方もあります。その割に崩壊後は悲劇的なニュースが席巻しますが。
もし愛の言葉バブルが発生したら、「愛してるよ」みたいな囁き、叫びの価値が高騰して一撃必殺の告白の言葉、プロポーズの言葉として乱発されます。その言葉を真に受けるほうも大概ですが、バブルなのだから仕方ない。
かくして世の中は愛で満ち溢れるでしょう。生涯未婚率は劇的に低下。反比例して出生率がうなぎ昇り。少子化対策の一環として政府も愛の言葉をヨイショしまくる。
街角の看板、愛をテーマにしたスイーツ、ラブリーなファッション、新聞の一面からテレビ欄まで世界は愛一色。ん、愛一色って麻雀の役みたいですね。当然、役満でしょう。「愛」という字を頭上にあしらった兜で有名な直江兼続の人気にまで波及。
渇望していた第3次ベビーブームが現実のものに。
ほどなく、するべくして愛の言葉バブルは崩壊します。
価値を失った愛の言葉は薄っぺらい。何を言われても上の空。信じられません。愛バブル崩壊のツケは離婚率急上昇。
真実の愛を求めてリビングデッドのように夜の街を徘徊する「愛難民」が社会問題化。一度味わった愛の味は忘れられないようです。
このように愛の言葉バブルが崩壊した後でなお、生き残って愛を伝えられた言葉こそ本物の愛の言葉だと言えるでしょう。
将来の愛の言葉バブルに備えて、自分が信じる本物で真実の愛を込めた言葉に「先行投資」しておいてはいかがでしょうか。