なんななナンセンス

益体もないナンセンスなことを、ある程度は掘り下げて考えた

本物の全自動麻雀卓に人間は必要ない


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牌を積む所までやって、あとは人間様にやらせるなんて中途半端。片腹痛い冗談ですね。全自動卓の看板を降ろしてください。今後は半自動卓を名乗りましょう。ちっとも「全」じゃないと思います。それは半自動麻雀卓と呼びます。

やっぱり全自動なら対局も自動化してこそでしょう。全自動洗濯乾燥機と同じように、スイッチオンのあとはオーラス終了まで全部オートマチックに進行。

サイコロ、ドラ捲り、ツモ、捨て牌、アガリも全自動

最新の全自動麻雀卓はサイコロ振って東家を決めて嶺上ドラが捲られた上、配牌まで完了した状態で卓上に上がってきます。自動配牌型麻雀卓ですね。最初に手を伸ばして牌を4つづつ取ってくる楽しみは良い意味でありませんが、結構なことです。

全自動麻雀卓はさらにその先へ。一巡目からラスヅモまで人間様は必要なく、卓自身がヤマからツモってきて自分の手牌に加えます。機械的な仕組みとしては、どこからともなくマジックハンドみたいな腕が伸びて来て上から牌をつまむ、なんてローテクな形ではなく、山と同じように手牌や捨て牌、ツモ牌の一つ一つが下方向へエレベーターして卓の内部を移動します。

ポンやチーで手牌と捨て牌を四隅に牌を移動することも可能。カンしてリンシャン牌を移動させるのも同じ要領で内部を縦横無尽に牌が移動します。

打ち筋を指定可能 染め、鳴き、ダマなど

人の打ち方に方向性やクセがあるように、全自動麻雀卓が誇る人工知能なら打ち筋を設定できます。囲碁や将棋の世界で最近幅を効かせてきたAIアルゴリズムの波が麻雀の世界にまで侵食してきました。効率プレーは言うに及ばず、説明のつかない哭きのドラゴンも全自動麻雀卓なら再現可能。

リーチかけたほうが良い局面でダマテンを好む人が一定数いるように、人間臭いプレーも設定できます。

三味線を弾く

自分の役作りを虚実織り交ぜて吹聴したり思わせ振りな仕草を「三味線を弾く」「口三味線を弾く」と呼び、程度によっては罰符が課せられる麻雀マナー違反です。物言わぬ全自動麻雀卓ですが、手牌を他家に見えそうにわざと転がしたり、ロンのフリをして途中まで傾けてやっぱりやーめたってフェイントをかけたりするなど陰湿な機能を搭載しています。

さらに津軽三味線じょんがら節のmp3を内蔵。駆け引き時にBGMとしてどこからともなく麻雀卓の内部から音楽が流れてきます。麻雀卓とwifiで通信して曲データを転送して素敵な三味線曲をランダム再生しましょう。

最高級クラスの全自動麻雀卓では、弦とバチで作られた本物の三味線が内蔵されています。もちろん革張りは昔ながらの猫皮か犬皮。麻雀卓で三味線の生演奏を聴きながらの麻雀をお楽しみ下さい。

禁断の積み込み機能も搭載

そして麻雀卓は禁断の領域へ。

ごく一部のプロ玄人にしか実現できなかったイカサマ、積み込み技が誰でもカンタンに。牌すり替え、各種積み込み、果ては燕返しまでスイッチ一つでご覧に入れましょう。

配牌の時点でアガっている天和は序の口。ドラ牌を操作して二桁のドラ爆乗せも自由自在。反対に、どう打っても決して誰もアガれない流局確定配牌なんて趣向もあります。一人の捨て牌に対して他の三人が同時に役満ロンという奇跡も全自動麻雀卓なら涼しい顔して起こせます。夢が広がりますね。

このような諸々のキワモノ機能は抜きにして、メンツが足りない時に人間の代わりに打ってくれる代打ち機能とか実現したら、きっと全自動麻雀卓は飛ぶように売れるでしょう。

人間のほうがハコテンにされ飛ばされないように麻雀を上手くなっておきたいですね。