なんななナンセンス

益体もないナンセンスなことを、ある程度は掘り下げて考えた

花粉症対策特区でマスクから解放されたシェルター生活を


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残念ながら、まもなくです。

ほら毎年恒例の、そこにも春の悪魔が飛来しますよ。

この時期ほど鼻が着脱式であってほしいと願う季節もありません。

容赦の無いくしゃみとかゆみと涙と鼻水が日本を席巻します。

北海道にスギ花粉症はほとんどありませんが、道南の方には少し届きますし、シラカバ花粉症はがっつり猛威を振るっています。

やっぱり沖縄ですね。

どこかのITベンチャー企業みたいに、花粉症シーズンはみんなで沖縄に疎開しましょう。

言うは易しで、家族が・・・仕事が・・・と引越し出来ない理由がいとも簡単に出てきますね。

別に、スギの木から遠くに離れるというアプローチだけが全てではありません。

要は花粉をシャットアウトできればよいのです。

核物質に対する核シェルターのように。

ウィルスや細菌が空気経路で進入できない陰圧の無菌室のように。

そう、シェルター。

SF映画とかアニメでよくあるじゃないですか。

でもあんなにおっきいのは非現実的です。

なにも国土全体を覆おうってんじゃありません。

まず始まりは実験的に、街の中に法律で定めた特区から。

季節性アレルギーを問答無用で起動していく理不尽な見えない敵ですが、ようやく光明が見えてきました。

システマチックな予防とケアに定評のある花粉症対策特区で備えてみましょう。

特区全体が陰圧、訪問時には必ずエアシャワー室を通過

花粉を持たず、作らず、持ち込ませず。

どこかで聞いたことのある三原則ですが、花粉症対策の基本でもあります。

当たり前ですが、花粉症対策特区内にはスギ花粉を始めとしたメジャーなアレルゲン放出植物はありません。

持ち込みや栽培も禁止されています。

ガーデニングやプランターが趣味の方は気をつけましょう。

特区全体は透明の強化ガラスで覆われています。

そのままでは温室ハウスのようにサウナ状態になってしまいますから、気温を一定に保つ大規模な空調設備が建設されました。

無菌室のように街全体をクリーンルーム化することに成功しています。

また、気づかないうちに衣服に花粉が付着したまま入ってこられては困りますので、特区外から移動してくる際には強力な風を体に当てて花粉を払い落とすエアシャワー室を通過してもらいます。

工場勤務の派遣社員にはお馴染みのアレですね。

公共設備としての空気清浄機

路上、駅、コンビニ、ビル、トイレ。

花粉症対策特区の至るところに高性能な空気清浄機が設置されております。

花粉の侵入を水際で防いではおりますが、現実問題として毎日若干は

あ、あと特区内の公共領域は全面禁煙です。

歩きタバコなんて、もっての他。

せっかく花粉対策のためにある空気清浄機がタバコの煙を吸ってしまったら清浄効率が落ちてしまい、何のための花粉症対策特区か分からなくなりますから。

罰金刑なんて生易しい制裁ではありません。特区内では現行犯で実刑です。

花粉症シーズンが終わるまで収監されててください。その後、特区を追放されます。

悩ましい花粉症から解放されたければ、副流煙にも責任を持ち、マナーは守りましょう。

自動車も空気を汚さない燃料電池車または電気自動車だけが走行できます。

というわけで、区内にはガソリンスタンドが存在しません。

特区中心街で営業している家電量販店における暖房器具の売上はセラミックファンヒーターとオイルヒーターが1位を争っています。

空気を汚すことが間接的に花粉除去能力の低下につながると考えた結果、空気そのもののクリーンさを保つことが最適解であると花粉症対策特区では結論づけられました。

この考え方の欠点は、インフルエンザウィルスやPM2.5に対してさえも潔癖であると誤解されかねない所です。

本特区では、インフルに効果のある塩素系消毒液による殺菌や、PM2.5に対応したダストモニター粉塵計での観測は行っておりません。

PM2.5は粒子径が2.5μm(マイクロメートル)以下の微粒子ですが、スギ花粉の大きさは約30μmと、10倍程度も違いますので当然、対策方法も異なってきます。

このあたりの差異を認識していただく意味でも、花粉症対策特区へ転居される際には公的資格である「花粉症対策者検定試験」を受験し、合格することが義務付けられています。

他の方のご迷惑とならないよう、趣旨をご理解いただいた方にのみ、特区は門戸を開いております。

花粉症改善に効果がある物品を自治体から支給

予防だけでなく、花粉症の症状をすでに発症された方に対してもケアする用意がございます。

対症療法する上で欠かせないティッシュ、マスク、鼻炎薬などを希望者に支給します。

もちろん、全て無償で。

厳密には特区内の住人にのみ課せられる地域対策特別税の形で、知らず知らずのうちに徴収されているのですが。

甜茶やルイボスティーのような、民間療法で経験的に軽減効果が認められている飲食物は対象外です。

たとえ特定保健用食品、いわゆるトクホでもダメです。

そういう曖昧なの認め始めたら、キリがないですからね。

トクホのダイエットコーラ飲んでたらクシャミ出なくなった、とか適当なこと言い出す輩が絶対にいます。

不正受給、ダメ、絶対。

「有給花粉症休暇」OK

花粉症がひどくて会社行けないよー、仕事できないよー。

ご安心ください。

花粉症対策特区では、花粉症を原因とする症状に限って有給休暇が与えられます。

鼻水、鼻づまり、クシャミ、眼のかゆみ等がひどいときは最寄の皮膚科に来院し、風邪やインフルエンザ等の感冒ではなく花粉アレルギー性鼻炎である旨の診断書を取得しましょう。

一般的な有給申請は理由を必要としませんが、有給花粉症休暇の申請には必要な書類です。

風邪には補助金適応不可ですから、お気をつけくださいますよう。

「花粉症ごときで会社を休むなんて・・・」と上司がゴネだしたら、すみやかに花粉症対策特区内の労働基準監督署へGO。

花粉症に無理解な、あるいは役職上の優位性を盾に花粉症由来の休職申し出を却下しようとするアレルギー・ハラスメントが横行しているのをご存知でしょうか。

このアレルギー・ハラスメント、略してアレハラに対するプロフェッショナルとして、署員が上司と直接対決、いえ対話するサービスが好評です。

特区内では花粉症に由来する有給取得が認められていること、そもそも有給花粉症休暇を認めないにも関わらず花粉症対策特区内で営業活動することは花粉症対策特別区域法に違反している事実を上司が二つ返事で了承し実際に徹底されるまで、区のほうでフォローいたします。

それもこれもあなたの充実した花粉症対策生活のため。

残念ですが、花粉症は一生の病気です。

だからこそ叶えたいQOL、クオリティオブライフがあるのではないでしょうか。

その第一歩として、花粉症対策特区での暮らしは大変参考になるはず。

花粉症と向き合い肯定して健全に生活すること。つまり、粉活の始まりです。