なんななナンセンス

益体もないナンセンスなことを、ある程度は掘り下げて考えた

東京2020開催五輪新種目「横断歩道で白だけ踏んで渡る」


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ナンセンスな行為を避ける人は多いと思います。
このブログを読むことがナンセンスかどうかはさておき。

横断歩道を渡るとき、特に意味もなく、白あるいは黒い路面だけを踏んで歩こうとした経験が一度もない人は非常に希少なのではないでしょうか。

横断歩道がほとんど設置されていないインドの田舎や発展途上国では選手の育成環境に難があるかもしれません。
そういった内政事情は各国によって様々ですので、ひっくるめてオリンピックという舞台に立ってほしいですね。

子供が思いつく中でも最弱クラスにつまんないはずの遊びに決まってるんですが、まさかのオリンピック正式種目に。
大人の態度でお楽しみください。

歩行者信号が青になったら競技スタート

スタートの合図は、せっかく舞台の交差点に信号機が設置されてるわけですし、歩行者用信号で青が点灯した瞬間にしましょう。
人通りの多い都市部の交差点では鳥のようなピヨピヨ音や、やけに明るい音楽が流れたりしますね。

ゴールはもちろん、対岸の歩道。
シンプルに向こう側まで渡った最初の選手が金メダル獲得です。

スクランブル交差点ではいつものように多数の歩行者が横断します。
202年オリンピックの開催地は東京ですから、横断歩道で白だけ踏んで渡る競技の世界大会会場に相応しい場所というと、渋谷駅ハチ公前交差点か銀座数寄屋橋交差点あたりになるかもしれません。

弾幕シューティングゲームの弾幕のようなあの人波をかき分けて進めます。
肩や肘にワンミスでも被弾して、歩く速度が少し緩んだだけで勝利は遠のくと思っていいでしょう。
世界一シビアなスピードと精度が要求される横断歩道になりそうです。

ただしこの競技、どこの交差点で開催されるかは非公開です。
事前に発表なんてしちゃったら、野次馬とか妨害しようとする人が詰めかけて試合になりませんからね。

一般歩行者の皆さんは通勤中だったり、デート中だったりして、ナンパ中だったりと至って普通。
人種豊かな集団が足早に交差点を渡っていきますが、なんか急いでる外国人集団がいるなあ位にしか見えないでしょうね。

判定に疑問を感じたらチャレンジシステム

競技会場となる横断歩道にはホークアイと呼ばれる審判補助システムが設置されています。
テニス中継ではチャレンジシステムといって3D映像でボールの軌跡が再現されるお馴染みの機械判定ルールです。
5ミリメートル以内の測定精度で正確かつ瞬時にラインのインとアウトを判別できます。

サッカーではゴールラインテクノロジー(GLT)と名付けられたビデオ判定システムもありますね。
これらと同じシステムを、今回の横断歩道競技では導入しました。
どこを歩いて、白い路面からはみ出していないか、人間である主審副審の視力では限界の判定をチャレンジシステムが補います。

たかがその辺の横断歩道を、何千万円もする10数台のホークアイカメラが囲んで精密観測です。
子供レベルの遊びに無駄に大金をかけて別物に仕立て上げようとする品のなさが大人のすることっぽいと思います。

白いとこは滑りやすい

横断歩道の白い面は合成樹脂で焼き付け塗装がされており、黒いアスファルトと対照的によく映えます。
道路のセンターラインなどと異なり、横断歩道は自動車が必ず通る路面であるためタイヤによる摩擦が多い場所です。
そのため白い塗装が簡単に剥がれてしまわないよう、厚みを持たせて路面標示用塗料を塗布する傾向があるようです。

結果として横断歩道の白いところだけが数ミリから1センチメートル以上も盛り上がってしまうわけですが、アルファルト面と異なるのは色だけではありません。

雨や雪の日に歩いててツルッと転びそうになっちゃった経験、ないでしょうか。
滑りやすいんですよね。白い所。

滑って事故ることを未然に防ぐために、白い塗装面を避けて黒いアスファルトの所だけを歩く習慣が無意識のうちに身についてしまうこともあります。
白い所しか踏んではいけないルールにおいて、その習慣はハンデとなるでしょう。

この競技はそんなリスクに、危険な横断歩道に自ら身を投げ込んでいく者たちの歩みを見届ける物語。