所有の概念が現実よりも希薄なネット上じゃ10年以上も前からファイルの共有が盛んに行われ、各国当局とのいたちごっこが今なお続いています。
私生活を情報共有するFacebookやTwitterなんて最早インフラの一部です。
リアル世界でもクルマやルームなど、共有可能で便利な媒体に対してシェアサービスが今なおHOT。
人間関係のシェアに至っては既婚者向け出会い系サイトの不倫専門SNSとかいって浮気不倫相手を共有するマッチングサイトまで活況を見せる始末。
やれやれ、もしかして多夫多妻制こそ人間社会の最適な形だったりしますか? 事実上の一夫多妻制が罷り通っている国や地域は日本を含め世界中に存在しますし、不思議ではないのかも。
共有ですから、今まで誰も来なかった領域に初めて他人が入り込んで来ることを意味しています。
それはもう色んな形で、あなたの中に、物理的な意味でも。
歯ブラシを共有
家族の使った歯ブラシでさえ生理的な不快感なく共有できるか怪しいところですよ。
微粒子レベルでは唾液と歯垢とミュータンス菌を共有することになるでしょうか。
そんな不潔な感じのシェアなんてムリだよー。
同じように唾液と歯垢と口内細菌を、それも相手と直接共有する・・・
唾液を共有?
それまんまディープキスじゃないっすか。
ちゅーね。出来ます出来ます。むしろしたい。よゆーで。誰とでもってわけじゃないが。そりゃそうだ。
でも歯ブラシだとね、なーんか抵抗感を拭えないなあ。
鼻毛カッターを共有
なにせ鼻毛カッターは便利ですからね。一度使えば分かります。爽快感は病み付きになりますよ。
電動と手動の2タイプありますがいずれにしても、そんな鼻毛切りを見も知らぬ他人とシェア。
いちおう、カッター部分の洗浄はしてもらいますよ。説明書に解説されてる通りに分解してブラシ等でゴミを落とします、当然。
でもね、鼻毛の一本さえ絶対に残っていない保証はどこにもないんです。
次に使う人が前に使った人のHANA☆KUSOも付着した鼻毛を一本でも見つけたら、どう思うでしょうか。
うわ、汚い、知らんおっさんの分泌物が付いてるとか使いたくないよー。罰ゲームかよ。
同感です。他人の鼻毛に悦びを感じるほどガチにはなれなませんでした。不甲斐ない思いで一杯です。
腸内細菌を移植
細菌といえば、最近、あ、細菌だけにね、他人の腸内細菌叢(腸内フローラ)を自分の大腸内に「移植」して腸内環境の改善と治療を目指す仕組みがあるそうじゃないですか。
腸内フローラ。
平たく言えば、UNKです。うんうんです。
すごくないですか。他人のうんうんを自分のお腹に注入するんですよ。そんな、ヒアルロン酸じゃないんですから。
共有とかシェアが持つクールさや便利な印象が吹っ飛ぶほどの生理的拒否反応。
だって自分のを触るのさえハードル高いってのに、他人のべ、便を体内に取り込むだなんて。
あ、そうか。便利だけにね、ってやかましいわ。
下着をシェア
好きな洋服を月額制でレンタルできるサービスは実在します。
でもさすがに知らない誰かが着たインナーを再びシェアするのは、クリーニングしてあっても抵抗感がありますよね。
ぶっちゃけ、汚い気がします。
女性同士ならギリギリセーフかな。いや、断じてアウトでしょう。知らない男同士トランクスやTシャツを共有するなんて想像しただけでああもう気持ち悪い。
同性でさえこうなんですから、異性と下着をシェアするなんて絶対にありえません。
男の人が女のコの使用済み下着を着用して楽しむ需要なんて・・・
ん? いや、ないない。
女性がイケメンの脱いだ汗臭いシャツをクンカクンカして恍惚を感じるとか。
じょ、冗談でしょ?
いやー。やーめーてー。せめて見えないとこでやってー。
共同SNSアカウント
最近、リアルに流行ってるそうじゃないですか。特に高校生とか大学生がtwitterで恋人共同アカウント。
よーやりますな。
否定はしません。むしろやるなら中途半端じゃなくて、朝の目覚めのチューと夜の腕枕の中の寝顔だけじゃなくて、その間の肝心の真っ最中のシーンをこそアップロードして頂きたい。
具体的には、笑った時に覗かせる可愛い「歯」と、笑顔が似合う可愛い「目」と、笑い声が可愛いペットの「鳥」の写メが見たいです。
恋人同士じゃなくても共同アカウント、良いかもしれませんね。家族とか友達だと内容が予想つきやすくてつまんないですから、赤の他人とシェアしましょう。
テーマは敢えて何も決めないほうが面白いと思います。
最初のうちは余所余所しく気を使いあったりして、ぎごちない感じが良いですね。
ランチ画像とか自撮りファッションみたいな無難な投稿から始まって。
そのうちだんだん変なノリになってきて、自作した謎の折り紙作品を見せ合ったり、毎日もやし料理を作って投稿しあったりし始めたら愈々センスが極まってきくるでしょう。
銀行口座を共有
あーこれ絶対ムリー!
結婚してようと共同創業者だろうと無理なものはむり。ましてや所属不明な赤の他人とシェアするなんて自殺行為。
夫が妻に全財産が入った財布を握らせるとかほんとマジ意味不明。一部じゃダメなんですか。
最大の理由は妻の財務管理能力です。まさか銀行に円のまま貯金して節約生活さえしてれば安心で完璧だとか思ってませんか。
家計のやりくりには必ず全収入が必須なんでしょうか。それほどカツカツならしょうがありませんが、もっと他にやるべきことがあるんじゃないでしょうか。
お金とは黙っていても価値が変動しますから、せめて価値を目減りさせない知識が必要なはずです。
夫から財布を渡されて、外貨預金や株式投信への資産リスク分散を真剣に検討し始めるしっかり者の良妻なんてレアキャラですよ。
運命共同体と呼んでも、所詮は他人のお金です。自分が稼いだ金じゃないから適当に使うし、貰って当たり前だと思ってるから感謝などしません。某非協力国への政府開発援助みたいなものですね。
たとえ大好きな恋人であっても大損すること間違いなしです。お金の仕組みをよく知らない、お金について勉強しない人には、銀行口座情報を渡さないよう気をつけましょう。
というわけで銀行口座は、たとえ命の恩人であっても共有したくないなあ。
まくらを交換して寝る
これ地味にキツイと思います。
枕って、意外と個性が染み付くんですよね。物理的な意味で。
洗濯しても取れないような顔や頭皮から落下した角質層が枕カバーの繊維に絡まってそうだし。
何度も他人のおっさんの寝汗や鼻水や涙で濡れたと想像したら触りたくもなくなります。
昨日の夜に垂れたヨダレが乾いてカピカピになってるよー。しかも唾が乾燥して発するあの変な臭いが鼻を衝いてくる。
キモい、嗅ぎたくない、でも枕に頭を乗せないと眠れない。
どうせ枕をシェアするなら、腕枕が良いなーと思うわけです。