なんななナンセンス

益体もないナンセンスなことを、ある程度は掘り下げて考えた

運動不足を競う『運動不足大会』が2020東京五輪の新規競技に


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運動のプロは、運動不足のプロでもあります。

誰しも、世界中の小学校で行われている運動会、いや運動不足会を経験していることでしょう。

子供の頃からサボリ癖で培った運動不足力と運動不足技を各国選手が競い合います。

世界トップレベルの運動スペシャリストが競う運動不足ですから、さぞかし解消不可能なほど深刻な運動不足を期待できると思います。

せっかくですから今度開催される2020年東京オリンピックの舞台で、運動不足の世界一を決めましょう。

ぽっちゃり、呑兵衛、引きこもりニート、仕事しないで朝から晩まで競馬やパチンコしてるダメ男、家事も育児も放棄してダラダラしてる専業主婦の皆様は奮ってご参加ください。

予選は運動不足チェックシートでテスト実施

意外なことに、予選は自己申告による生活習慣の筆記テストです。

当てはまる項目が7割以上ならメタボ予備軍みたいな、ほらよくあるやつ。

舞台がオリンピックだろうと、聞けば健康と分かるようなエセ運動不足野郎に付き合ってるほどヒマではないのです。

実質1時間しか寝てないからマジつれーわー、とか寝てない自慢してるファッション運動不足はここで振るい落とされます。

たまーに体を動かしたいなあと思って、ちょっとウォーキングや筋トレでもしようものなら、すぐに中性脂肪や尿酸値など血液検査の数値が改善しますのでバレバレです。

いくら口先で、私は(運動)やってないっ、と喚いたってムダ。隠れて運動した人はみんなそう弁明するんです。

虚偽の回答をした人は今後の運動不足会への出場権が剥奪され、運動不足選手生命が絶たれます。

諦めて健康的な生活に戻らざるを得ないという厳しい措置が取られますので、包み隠さずそのダラけたダメダメ生活態度を教えてください。

本選で実際に運動不足度を計測

いよいよ実技で運動不足バトル開始。

どれだけ不摂生な生活を送り、生活習慣病やメタボの実績を残してきたかが問われます。

開催国によって具体的な競技内容は異なりますが、たとえば東京五輪なら「缶ジュース部門」があります。

スターティングポジションは2階の部屋で寛いでる体勢。よーいドンの合図で、入手を目指すのは缶ジュース。

喉が渇いてジュースを飲みたいデブという設定です。どれだけ運動不足的であるかを採点されて順位づけられ、ポイントが同着の場合はスピード勝負になります。

部屋にジュースはおろか冷蔵庫さえありませんので、普通は大会会場近くのコンビニへ買出しに行く必要があります。

最悪の選択は、部屋から階段で降りて徒歩でコンビニへ行く方法。こんなの運動不足のプロがすることじゃない。まったく。本気で運動不足するつもり、あるんでしょうか。

徒歩ではなく自転車を使う、クルマを使う、タクシーを使う、と楽をするほど高得点となります。階段ではなくエスカレーター、さらにはエレベーターを使いましょう。無ければシンドラー社に電話して見積もりと設置を依頼しましょう。

運動不足のプロは楽をするために金に糸目はつけません。いかにカロリーを消費しないかということだけを追求しましょう。

しかしこの缶ジュース部門、真の模範解答は「ピザを頼む」です。そう、電話1本でデリバリーピザを注文し、サイドメニューとしてダイエットコークじゃない方のコカコーラを注文すれば、部屋から一歩も動かずに缶ジュースを飲めるじゃありませんか。

運動不足人間として、出前は正しい選択です。でもこれだけでは複数の選手が同じデリバリーを頼んでしまいポイントが同着となる可能性があります。

ここからは誰よりも早くピザ、いえ缶ジュースを宅配されて飲み干すかのスピード勝負。デブは待つのが苦手なのです。特に、飲食物に関わることは。

事前のリサーチが勝敗を分けます。オリンピック会場周辺でデリバリーピザ支店の分布はどうなっているか。最短距離のピザ屋は。繁忙と閑散の時間帯は。

都心の慢性渋滞エリアでは軽自動車でのデリバリーよりも、車列の間を縫って進める宅配バイクの方が早く到着できます。

また、東京はピザの他にも寿司、そば、カレー、ネットスーパー、お姉さんなど様々なデリバリーサービスが軒を連ねており、最も頼んで食べたい料理は何か、いや最短時間で宅配できる業者はどこか、悩ましい選択です。

運動不足を極めるための戦略を練りましょう。

表彰台で金メダルをもらう直前ギリギリまで採点対象

だって金メダル取れるくらい運動不足な選手が表彰台の一番高い所にさ、ヒョイッて軽々と飛び乗ったらオカシイじゃないですか。

余裕で運動できてるじゃん、と。

真の運動不足マスターは階段を1段だって登るのを嫌がります。

既に表彰台まで歩いてくるのに汗だくで息切れしてて、たった1、2段の段差を昇降するのさえ躊躇して、挙句の果て表彰台に上らず地上でメダルを受け取るよう切実に希望する有様こそ、運動不足の王者に相応しい金メダリストの姿です。

開会式、閉会式を歩いて行進など論外。疲れる、めんどくさい、膝に悪い、カロリーがもったいない等の理由で入場行進をボイコットするのが運動不足競技の華。

オリンピックに出場するプロのアスリートの運動量に比較すれば、我々一般人は間違いなく運動不足の範疇に入るでしょう。

運動不足競技は年齢や地域差、男女差、貧富の差さえも関係ない極めて稀有なスポーツです。