なんななナンセンス

益体もないナンセンスなことを、ある程度は掘り下げて考えた

月SNS「ソーシャルムーン」を全世界で共有しよう


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月はこれから、視覚的な情報共有が可能なソーシャルムーンへと姿を変えます。

思えば、月という衛星は太古から今日まで全世界の人たちの心と心を繋ぐコミュニケーション・プラットフォームでした。

ソーシャルムーンでは、複数の静止衛星が連携して月面へ向けてプロジェクションマッピングを活用した映像投影を行います。

どこのご家庭にもある、お手持ちの天体望遠鏡で月を覗くだけで、リアルタイムに月タイムラインを閲覧することができます。

月だからこそ成せる、世界(の半分)同時のパブリックビューイングです。

望遠鏡をお持ちではない方でも大丈夫。

iPhoneまたはAndroidスマホに月専用のARアプリをインストール頂くことで、晴れた夜に月へ向けてスマホのカメラをかざして液晶画面越しに同様の情報をARとして月面に見ることができます。

「月が綺麗ですね!」ボタンが各種SNSに登場

いま、誰が誰に「月が綺麗ですね!」と伝えたかが丸わかりになる機能です。

月面上のタイムラインに世界の、全人類が投稿したIDとアイコン、メッセージや画像がプロジェクションマッピングで表示され、リアルタイムに更新されていく様子を閲覧可能です。

月が綺麗ですね!を貰うことの意図は、婉曲的な恋愛観をお持ちの皆さんになら誤解なく伝わることでしょう。
世界はもっと気軽に、愛を・・・いえ、月の綺麗さを表現しあえるはずです。

月の持つラヴ&ピースで神秘的な影響力もあいまって「月が綺麗ですね!」ボタンは急速な普及が見込まれます。

Facebook、Twitter、WhatsApp、LinkedIn、VKontakte、orkutなどなど、規模やジャンルを問わず世界中のSNSがソーシャルムーンに順次対応していくでしょう。

地球からの映像投影がお月様スクリーンに流れる様は圧巻です。
Twitterが提供するツイートデータ放流API「Firehose(ファイアーホース)」さながらですね。

閲覧に電気が不要なソーシャルネットワーク

ソーシャルムーンのタイムラインは視覚的に月面へ投影されますので、ある程度の倍率を備えた望遠鏡さえあれば電力インフラに関わらずどなたでも楽しむことができます。

なんと、スマホやPCを持たない、持てない人でも、SNS上で今何が起こっているか閲覧できるのです。

子供がスマホで悪い大人にひっかからないか心配なお母さんも、変な所をクリックして詐欺されないか不安な高齢者の方も安心ですね。

電源が要らず、サハラ砂漠や太平洋のド真ん中でも、エベレストの頂上でも、計画停電中の東京都心でも情報共有可能。

そう、ソーシャルムーンならね

カントリーリスクとソーシャルムーンの悩ましい関係

悲しいことに、政治や軍事、経済、思想上の因果から、一部地域では情報規制や報道の捏造が存在しています。

月は現在の所、その地理的な特徴から、地球上の特定国家が拡大強行してやまない国境やEEZや防空識別圏などの影響が一切及ばない、極めてフェアで真っ白なキャンバスです。

また、公的機関による情報統制やマスg・・・マスコミの報道規制といったキナ臭いアンチソーシャル行為に対しても、ソーシャルムーンはオープンであり続けられる堅牢性を備えています。 物理的に

月媒体は未だ誰のものでもなく、月面に居住する人類も出現していない現状です。
だからこそソーシャル性が維持できていると考えられます。

これが月面コロニーに人が住んでいるとなると、SF的だけれど現実的な苦情が殺到することでしょう。

地球からのプロジェクションマッピングが眩しいとか、うちの庭に卑猥な言葉が投影されて困っているとかですね。

全世界のナウなヤングに天体望遠鏡がバカウケ

そういうわけで老若男女やネットリテラシーの差に関係なく、世界中で天体望遠鏡がバカ売れします。
ソーシャルムーンならではの特需ですね。

より月を直接観測しやすくするため、うまいこと月を視界におさめたまま楽な姿勢でタイムライン鑑賞を楽しめるような眼鏡型望遠鏡が出てきてもよさそうなものです。

GoogleGlassが実用化できたのですから、どこか尖がったスタートアップさんが本気を出せば新しい月鑑賞デバイス、いけそうな気がするのですが如何でしょうか。

また、ちょうど地上波放送に対するKeyHoleTVのように、月表面のリアルタイム映像をUstream等の別媒体でミラーリング配信するサービスは現れるでしょう。

時間的、角度的に月が見えない地球上にお住まいの皆様向けとしては非常に有難い取り組みかと。

しかし、見上げればそこに生の、現物の、二次元ではなく三次元の月があるんですよ。

モニターの向こう側ではなく手を伸ばせば触れられる存在としての月を見ない手はありません。

古くて新しい温故知新な月

かつて、そして今でも、日本では「ぬばたまの 夜渡る月に あらませば 家なる妹に 逢ひて来ましを」といった感性で、恋の感情を月で表現したりしてきました。

遠距離恋愛で寂しいとき、もし自分があの月だったら、恋人の所へ逢いに行けるのに、という叙情です。

とても素敵な表現だと思います。
ソーシャルムーンは今に始まったことではなかったんですねぇ。

ケータイやスマホ全盛で、メールやSNSアプリによって好きな人との距離と時間が露骨に縮められました。

それに慣れても、たとえオフラインで相手と電子信号で繋がっていなくたって、愛情表現したいという衝動は抑えられるものではありませんよね。

これからも新しいコミュニケーションツールが開発され、オシャレで便利なデバイスが登場します。

そのつど新しモノ好きのアーリーアダプターが使ってみてブログで紹介し、次いで多くの移り気な人が話題のタネついでに乗り換えます。

ちょっと残念なことは、そうしたソーシャル性を備えたつアイテムのほとんどが数インチ程度の液晶画面の内側で情報送受信を完結していることです。

見上げれば直径で1億3,680万インチ以上ある未使用の表示画面が、仲間になりたそうにこちらを見ているご様子。
しかも遡ること数十億年前より。

月さん、こっちみてるー? イエーイ、ピースピース。

あ、そう、あと。

プロジェクターの光は強いから、餅の製造に支障をきたさないように、うさぎさん達にサングラスを配布するといったキメ細かいフォローも大切だと思いますが、いかがでしょうか。