朝から晩まで何万羽ものニワトリのヒナを瞬時に見分けて分別し続けるというあのマニアックな仕事が、ついにアニメ化。
アニメといえば学園かロボット、魔法や異能力などのファンタジーなテーマが一般的でしたが、それは昔の話。
最近は実在する職業を題材にしたアニメが好評です。
アニメファンは10代だけでなく20代から高齢者にまで広く存在しており、日々仕事をしていく中で感じる悲哀に共感する演出が多いのかもしれません。
旅館や役所、鉄道会社、果てはアニメスタジオの仕事そのものをアニメ化して大ヒットするなど、リアリティのある仕事アニメが受け入れられる土壌が出来上がっているといえるでしょう。
今回ご紹介するのは初生ひな鑑別師という実在する資格に焦点を絞った、ニワトリのヒナと人間のハートフルでちょっぴり切ないファンタジーアクションアニメ作品です。
処分されるはずだったオスのヒヨコが何故か人間の姿に
主人公は初生ひな鑑別師資格を取得したばかり。
孵化場に配属された新米の女の子という、これまたよくある新入り系主人公。
名前は「ヒヨ子」。
お察しの通り、福岡生まれの東京育ちです。
ヒヨ子が演じる働く女の子を通じて、ひよこ鑑定士の多忙な業界を描きます。
脇を固める登場人物は、今どきのアニメによくある擬人化キャラの数々。
仕事場でオスのヒナを入れる箱からこぼれ落ちた1匹のヒヨコが、なんと人間の男のコに大変身。
ヒナゆえ、ショタ向けでカワイイ男の子になっちゃって、拾われたヒヨ子のお家で一緒に暮らす展開へ。
彼は名古屋コーチン品種なので「こーちゃん」と名付けられ、ヒヨ子のアパートに同棲という名の飼育、いや軟禁をされることに。
幾度も脱出を試みますが家を出てもヒヨコの彼に行く当てなどなく、ヒヨ子が作る絶品の卵料理に胃袋を掴まれてしまいます。
総排出口を鑑別したい鑑別士の女の子が主人公
こんなにカワイイ男の子がオスのヒヨコなわけがない。
と思ってこーちゃんの総排出口を鑑別しようとするヒヨ子と、そんな恥ずかしい所を見せたくなくて日々逃げ回るこーちゃん、という図式が物語の基本構造です。
ヒヨ子が仕事を終えて帰宅すると、暖かい育すう器の中で寝ているこーちゃんにこっそり近づいて性別鑑定しようとするが気付かれてしまい、逃げようとするけどヒヨ子特製の美味しそうな配合飼料に誘惑されてのどかな夕食タイムが始まります。
なおヒナの鑑別には総排出口のほかに、羽毛や体色で鑑別する方法もあります。
しかし、そんなことヒヨ子にはどうでもよいのです。
男の子の総排出口を見たい。
そんな若干フェチックな性癖を持つ女の子なんてキャラも、現代の視聴者にウケる大切な要素だといえるでしょう。
ついでにメスのヒヨコも人間の姿に
ヒヨ子にお尻を狙われて追い掛け回されるオスヒヨコの元へ、メスのヒヨコが擬人化した人間までもが登場します。
彼女はネットで歌ってみた系動画が人気を博している歌い手の女子「せいらちゃん(声良鶏)」。
一生ずっと無性卵を生み続けるマシーンに絶対なりたくなかった彼女は、歌ってみた動画ランキング1位の夢を捨てきれず孵化場のケージから脱出してきたのでした。
さらには褐色肌で丘サーファーの「ミノル(黒色ミノルカ種)」、踊ってみた系動画の踊り手男子「アワヲ(阿波尾鶏)」、犯罪的な可愛さだけど一応18歳ロリ系幼女、いや幼鳥の「ぷちこ(プチコッコ)」など、次から次へと孵化場から脱走してはヒヨ子の部屋へ集まって物語は膨らんでいきます。
映像にリアリティを持たせるために、ヒヨ子が職場で何百匹という雛を分別しているシーンでは素人目には見分けがつかないオス♂とメス♀のヒヨコを全て描き分けています。
また、処分されるオスヒヨコのピーピーという断末魔までベテラン声優が忠実に再現。
実際に現場で勤務する鑑定師の方を監修に迎え、アニメだと侮れない完成度を誇る予定です。
【悲報】逆にヒヨ子がひよこ化【ネタバレ】
物語の終盤、普通の人間だったヒヨ子が、なぜかリアルひよこに変身。
立場は完全に逆転します。
日頃ヒヨ子に虐げられていたこーちゃん、ミノル、せいら、アワヲ、ぷちこ達がここぞとばかりに反撃の狼煙を上げ始めました。
全員が視聴者と共に目指すターゲットは、ヒヨ子の総排出口。
年頃の女子として股の間を見知らぬ男女に晒されるわけには、断固として参りません。
ヒヨ子も決死の思いで元ひよこ達と絶望のバトルに臨みます。
果たしてメスのニワトリ、いえ女の子としてヒヨ子は貞操を守り通せるのか。
そもそも人間に戻れるのか。
誰もが気になる初生雛鑑別師が送る、驚きと悲哀に満ちた仕事現場の実態に迫ります。