なんななナンセンス

益体もないナンセンスなことを、ある程度は掘り下げて考えた

目は口ほどに、口は目ほどに物を言下略


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皆さん、ちゃんと相手の目を見て話しておいでですか?

大切なことらしいですね。

まあ皆様は少なくとも、伏せ目がちな私よりはコミュニケーションスキル()が高いと思われますので、杞憂だと信じております。

無言は、色っぽいものです。

このブログはナンセンスですが、目と目で通じ合うことはノンフィクションでもなければファンタジーでもありません。

二人が見つめ合うとき、本当に時は止まり、孤独な加速度が一瞬に砕け散ります。

よくあるチャチなことわざとか、メタファーではありません。

ガチで、口というか声が不要になるレベルで、目だけで語り合います。

目は口ほどに物を言う、と最初に口に出した昔の人がドン引きするほどに。

会話を目だけで完結させてみてはどうでしょう。

目力という発言力

百聞は一見にしかずという使い古された諺は、使い古されすぎて同じ意味の他の諺に置き換えられがちなほど、一周回って不遇な扱いを受けていると感じざるをえません。

目力の威力を如実に表現した珠玉のワンフレーズだというのにね。

そう、目力と書いて、めぢから。

いかにも現代語的な響きですね。

女子力、に通ずるものがあります。

目が口ほどな世界では、目力これすなわち発言力。

会社の定例会議もサイレント映画のようです。

端から見てるとおっさんたちが無言で見つめあってるだけですが、彼らの間では激しい舌戦が猛スピードで行われています。

誰もが目配せしまくり。

今にも口を開いて唾を飛ばしあう勢いですが、誰一人として寡黙を貫き続けています。

しーんとした会議は時間の無駄ですが、目で会話しているので、これで良いのです。

プレゼンの発表者は絶えず全員と目を合わせ続けなければなりません。

みんなプロジェクターで投影されたパワーポイントのスライドばかり見ているので、こっちを向かせて目を合わせるのがとても困難です。

かといってにらんだりしては上司に失礼にあたるので、時折あえて伏せ目がちにしたりして、駆け引きのカードにしたり。

議事録の人は特に大変ですね。

耳で聞きながら記録する、ということができません。

メンバーの目が話していることを必死で読み取りながら、手元のノートパソコンにブラインドタッチで記録していきます。

その内容が本当に間違いないのかはさておき。

会議は踊る。

目で。

そちらの中途入社の貴方、目が踊ってますよ。

目と目だけで最後まで通じ合う恋心

好きな人と見つめあうひとときは、一瞬が永遠になる瞬間です。

言葉は必要ないほどに。

実際、必要ありません。

君のどんなところが好きで、こんな仕草にドキッとしていて。

私の気持ちはこれほど高まっていて、それでも上手く伝えられなくて。

わざわざ口から言葉にしなくても構いません。

目と目を合わせれば、どれほど好きと思われてるかどうか簡単にわかります。

従来なら、せいぜい恋をしているか否かをなんとなく伝え合える程度の精度でした。

まったく正確ではありませんね。

目が口ほどに本当に物を語るようになると、もっと詳細に相手の気持ちを読み取ることが出来るようになります。

なんて魅力的な優しさなんだろう。
僕は君のためなら死ぬまで馬車馬かつ種馬のように働くと誓えるくらいメロメロさ。

実際に働いてみてからおっしゃってくださるかしら。 あと馬車馬のほうだけで結構よ。

と、見つめあう二人が目と目だけで意志疎通しています。

結局ゲンキンなのは口と目が入れ替わっても変わらない模様。

馬車馬だけでもかまわない。 君の隣にいられるなら、喜んでATMにだってなろう。

恋は盲目。目だけに。

なんて一途な想いなの。 感動したわ、やっぱり私の種馬に…なんて感じると思った?

一方通行の愛に用はないわ。 私が愛する価値のある中身になってから出直しておいで。

さすがですね。 お目が高い。

口先だけの言葉を信じては、目先の未来も見誤りますよ、という自戒が身に沁みます。

言葉はいらないと踏んでいては、痛い目を見そうです。

メガネはマスク

目でお話しするにあたり、相手の目をきちんと目視できなくてはなりませんね。

視力の弱い方は当然、メガネをかけます。

喉の弱い人が口にマスクをつけるのと全く同じです。

ごはんはおかずです。

ではコンタクトレンズは何でしょうね。

入れ歯かな?

ないときちんと喋れない、中に入れる、という意味ではあってそう。

声で対象物との距離を測定

では意思疎通器官としての役割を終えた口はどうなるのでしょう。

口と目が入れ替わったわけですから、口は目になります。

視覚だけではわからない周囲の情報 を補完できるようになりました。

声を発して跳ね返ってきた音を聞いて、周囲の状況を視覚と協力して把握します。

潜水艦の水中アクティブソナーのように。

自然界なら、コウモリがそんな特殊能力を持っていましたっけ。

環境次第では非常に役立つと思いますよ。

たとえば暗闇。

鳥目のせいでどこにいるか見えない相手を、声という音波を反射させて位置を特定できます。

そうまでしてする必要があるかと言われると、だんだん自信がなくなってきてしまいます。

「電気消して…」と言われたあとに唇の位置を的確に探し当てて重ねるのは上手くなるかも。

逆に、目隠しプレイの楽しみは減っちゃいますね。

目が見えなくても分かりますから。

・・・口のほうは、なんだか今のままで良い気がしてきました。

声でゆっくり伝えたいときもあるでしょう。

考えさせる暇を与えたくない口説きの締めには、爆発しそうな感情を目力で圧縮して送り込む。

まるでスマホがエリアに応じて3GとLTEを切り替えるように。

これがほんとのwi-fiならぬeye-fi(アイファイ)なんつって。

うまくない。

うまくないよ。