なんななナンセンス

益体もないナンセンスなことを、ある程度は掘り下げて考えた

パソコンが壊れてしまったけど誰のせいでもない6つの言い訳


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壊れた。

なんにもしてないのに壊れた。

どこ押しても動かないし、動いたと思ったらすぐ再起動するし、突然画面固まっちゃうし、変な英語がいっぱい出るし。

自分で修理できないし、買ったとこ持ってくの大変だし、メーカーの修理窓口とかどこに電話すればいいか分からないし。

わけわかんない。

もうやだ。

誰のせいなの。

自分のせいじゃないよ。

だって。

なんにもしてないんだもん。

1.使った人のせいじゃない

どんなに機械が苦手でも、使った人のせいではありません。

変な操作をしたかもしれません。

それは良かれと思ってしたことだし、パソコンによってはそれで正常動作することもあります。

たとえ怪しいサイトに訪れてスパイウェアに忍び込まれ、紛らわしいダウンロードボタンを押して全然違うアプリケーションをインストールしてしまったとしても。

悪いのは有害サイトであって、パソコンを使った人ではないはずです。

また、消してはいけないシステムファイルを消したとしましょう。

なぜそんな大事なファイルが簡単に消せるよう設計されてるの。

此処から先はまた別問題です。

ソフトの設計者か、それを実際にコーディングしたプログラマーか、成果物を承認したマネージャーか。

誰のせいかは別の話。

少なくとも使った人のせいとは言い切れませんね。

ジュースをこぼした?

ジュースくらい、誰だってこぼします。

そこに偶然パソコンがあったに過ぎず、いわば事故に遭遇してしまったよなもの。

事故なら保険が効くはずです。

誰のせいかを決める議論は、保険会社の示談交渉担当者にお任せしてもらいましょう。

床に落としたり、誤って蹴ってしまったとしても同じです。

床じゃなくお布団の上なら問題ないし、足が向かった先にたまたまパソコンが置かれてただけ。

それ以上でもそれ以下でもありません。

こうした身も蓋もない出来事を無駄に深く考えるのは、誰にもよくある悪い癖ですね。

2.パソコンのせいじゃない

パソコンは、あくまで機械です。

機械は自ら変わることはできません。

もし故障を自己治癒できたら、それは機械ではなく機械部品の海に誕生した生命体です。

ではWindowsやLinux、iOSなどのOSのせいでしょうか?

違いますね。

彼らは自らの脆弱性を各々なりに自覚した上で、コンスタントにセキュリティパッチを発行して対応を続けています。

やることやってるんです。

たとえ多少手を抜いてたとしても、これが彼らのベストプラクティスだった。

その上で起こってしまった故障の原因は、もはや神のせいにするようなもの。

失礼だし、無謀の極みだといえるでしょう。

物理的な原因として考えられるのは、部品が粗悪だった可能性です。

また、電源や排熱など筐体の設計に問題があることもよくあります。

パソコンのせいにする望みを断つようで申し訳ないのですが、これらは些細な問題に過ぎません。

故障率は数字で表せますが、であるならば逆に、故障率99%の部品であっても100年使える確率は0%ではないことになるでしょうね。

結果論になります。

排熱が悪くて熱暴走?

もっと寒い北国に住んでる人に同じ現象は起きておりませんが、それでも自分の居住地を棚に上げ続けるのでしょうか?

3.ウィルスのせいじゃない

意外なことに、2015年の現代でも生命体の定義をできていなそうです。

遺伝子を持ちながら細胞を持たないウィルスを、厳密に生物だと判別できておりません。

ですがパソコンが壊れた今、そんなことはどうでもよい気分です。

ただひとつ考慮しておいたほうがよいことは、コンピューターウィルスがPCを壊した可能性です。

結論からいうと、これもどうでもよいのです。

生命体を定義できないなら、コンピューターウィルスも定義できていないわけですしね。

百歩譲って、パソコンを壊した犯人が未知のウィルスだとしましょう。

大変喜ばしいことです。

広大なネットの海に初めて発生した生命体かもしれないのですから。

宿主であるパソコンを壊すまでの自我を貫けるなんて。

もう、パソコンが壊れたことを誰かのせいにしてる場合ではありません。

高度に発達した科学は魔法と見分けがつかないようにね。

ウィルスにも五分の魂、が宿った瞬間に立ち会えるなんてめったにないことじゃありませんか。

4.ウィルス対策セキュリティソフトのせいじゃない

彼は立派に仕事を成し遂げています。

スパイウェアをインストールされるような隙だらけの監視体制だったと指摘することは簡単です。

ですが我々自身は、そもそも

ゼロデイアタックに対してはスピード勝負の末に負けただけで、単なる結果です。

そこに善悪は存在せず、誰のせいだとかいった責任問題を突き詰めるだけでは何も産みません。

総数1,000,000件の攻撃に対して、たった1件見過ごしただけで存在を全否定される。

まるで少し前に流行った悪意ある異物混入捏造事件のようではありませんか。

ウィルス対策ソフトは被害者です。

加害者のせいにしないだけじゃ飽きたらず、被害者のせいにするなんて、非道い行いだと思います。

5.雷や静電気のせいじゃない

雷が落ちてブレーカーが受け止めきれず、あるいは瞬間的に強力な静電気が発生してパソコンにまで大量の電流が流れ込んだとして。

それで雷や静電気のせいにして、一体なんの足しになるのですか。

自然は、ただそこのあるがまま存在しているだけにすぎません。

自然に歯向かい、自然に憎しみを向け、自然を制御しようとするような不自然なことをしているのは人間だと忘れてはいけません。

そこまで自然現象を熟知していながら、建物に避雷針を設置していませんでしたね。

静電気の発生を防止するブレスレットもつけていませんでした。

そういった不用心な人間のせいにしたいわけでは決してありません。

ただ、数十億年も前からただここにあるがままに存在している自然のせいにするのは、居直り強盗のようなおこがましさだ。

そう感じるのは、はたして人として自然な気持ちではないでしょうか。

6.猫のせいじゃない

ファミコンのRPGゲームでまだセーブしてないのに、通りかかった猫がリセットボタンを踏んで全ての努力を水の泡にして去っていく、いわゆる猫リセットのご経験がある皆様。

同情します。

それは100%現行犯で猫のせいです。

泣くために、この豊かではない胸をお貸ししましょう。

レンタル料は時価ですので、覚悟してください。

ただし猫がパソコンの本体やキーボードの上でぬくぬくした結果の故障。

これは同情できませんね。

暖を取りたかっただけ、歩く先にたまたまパソコンがあっただけ。

なんとなく香箱座りした場所が、思いのほか居心地が良かった。

そのネコの気持ちは分からなくもないのです。

住めば都を確かめるためには、住んでみるしかないんですもの。

そして、悲しいことに。

猫には、実際にやってみる以外のやり方を知らないのです。

知ったとしても、忘れるのです。

我々人間のように、予め脳内でリハーサルしたり、法律に準拠したり、経験や常識に照らし合わせた上で結論を出すといった器用なテクニックは期待できませんから。

どうかご理解頂きたい。

それでも猫のせいにしますか?

何かヒドいことする?

しないよね。

猫ちゃんはこれからも猫ちゃんであり続けるし、パソコンに興味を示し続けるけど。

でも、きっと。

誰かのせいにするとか、しないとかじゃなくて。

一緒に楽しく生きていけるはず。

じゃあ、いい加減そろそろ出発しましょうか。

新しいパソコンを、買いにね。