実は地球には、毎年のように隕石が落ちています。
我々が生存していることからも分かる通り、どの隕石も小粒ですけどね。
では地球にダメージを与えそうな大口径の隕石が接近していないかというと、そんなことはなく。
結構な頻度でニアミスしています。
今月も、地球と月の間を通り抜けていく隕石の天体ショーが楽しまれていたようです。
地球にとっての外的脅威は、隕石以外にも色々ありまして。
地軸の傾きが変わって極と赤道が入れ替わるポールシフト。
スノーボールアースという名の、地球が全球凍結してしまう氷河期の究極形態。
地球の電離層を吹き飛ばすスーパーフレアと呼ばれる太陽表面の大爆発。
一方、人類の手によって地球滅亡が引き起こされる内的要因もあります。
保育園児でもすぐに思いつくのは、やはり核戦争でしょうか。
タイムリーなところで、ウクライナのクリミア半島情勢が不安です。
ロシア・アメリカ・EUの代理戦争みたいで、ぞっとしませんね。
さすがに核までいかなくとも、なにやら南シナ海あたりも。
不穏な空気を通り越して、物理的に火花が見え隠れし始めたようですね。
やれやれ。
滅亡した地球を「人類が生存不可能な地球」と定義して、生き残る保険サービスを考えようと思いましたが。
人類滅亡保険会社のほうが破綻するほうが早そうで、ペイしないかもしれませんね。
お、いつになくシリアス。
ないない、人類滅亡なんて。
するわけないじゃないですかー。
やだなーもー。
地球滅亡後には通貨が消滅
金貨など、物質そのものが稀少で高い価値がある貨幣はそれ自体に信用が保たれています。
金本位制ですね。
もしも世界の人がお酒に貨幣価値を見出したとしたら、仕事のお給料をアルコール飲料で受け取るビール本位制が成立することでしょう。
ダイヤモンドはただの炭素であり鉱物としては特別レアでもないので、有事下で価値が維持されるかは正直疑問です。
ああいうのは鑑定士によって買い取り額が全然違いますからね。
人類絶滅の危機に瀕して、各国の銀行券の価値がどうなるかなど押して知るべしですね。
金融インフラも壊滅状態だとしたら、いくら造幣局でお札を刷っても流通させようがありません。
現在、オンラインバンキングやクレジットカード決済、エディー、スイカ、ナナコなどの小額決済システムなど、実物の通貨を介さない商取引が一般的です。
極端ですが、そのうちすべての通貨は電子マネーに取って代わられるかもしれませんね。
電子媒体は実体がないこともあり、どれだけ信用が担保されてるのか疑問です。
そんな風にいまいち実感が湧かない既存通貨の安定性なんて、人類の滅亡がリアルに迫ってきたら一瞬でポシャりますよ。
そして気付くはずです。
なぜ、人類滅亡に備えた保険商品を、どの保険会社も作らなかったのかと。
どうせ生命保険や自動車保険で各都市の一等地にデカいビルをポンポン建てられるほど潤ってるんですから。
人類の一部を宇宙にサルベージできる位の保険商品なんて、ちょちょいのちょいなんじゃないでしょうかと。
がっぽり儲かると思うんですけどねえ。
保険金支払いは通貨ではなく避難先
では何のための人類滅亡保険かというと、地球外に用意される居住スペースの最優先確保を特徴としています。
保険加入者には、地球上での生存が不可能と判断された時点で、速やかに宇宙空間へと退避先をご用意させていただきます。
具体的な避難先は加入する滅亡保険プラン次第。
自分の想定する人類滅亡のシナリオ次第で、加入するプランをご検討ください。
命あっての物種、とはよく言ったものです。
全財産はたいてでも生き延びたい、という生存本能は全人類、いえ全生物共通ですから。
たとえ無一文になっても、また稼げばいいのです。
でもそれは、生きているから出来る事なんですよ。
安全、安心がお金で買えると思えば、安いものじゃありませんか?
なんて分かりやすい理屈を言ってくる人は100パーセント詐欺師ですので、気をつけましょうね。
おれ? そう、おれおれ、おれだよ。
いや、おれは違うから、おれだけは違うよ。
ISS、月面基地、火星旅行など退避先を選択可能
大まかに分けると、地球環境の崩壊程度によって、要求される避難先が異なるでしょう。
放射能汚染やバイオハザードによるパンデミック程度なら宇宙に脱出する必要はありません。
どっかの核シェルターや地下施設で数百から数千年やり過ごせば何とかなりそうです。
人類絶滅保険の出る幕ではありません。
ところが巨大隕石落下による被害を知ると、そんなアリの巣レベルのシェルターではやり過ごせないことが分かります。
隕石が地球に衝突した破壊力は、液体ではなく固体をも波のように伝播させます。
この地面をまるで海面に広がる波紋のように波打たせる、地殻津波が発生します。
人類が地上に建設したすべての構造物は破壊され、そもそも世界地図の形が一変するでしょう。
大深度地下核シェルターや海底都市のような地球内部にいても、地殻津波には対応できないのです。
上空においても、飛行機に乗っていれば逃れられる影響には収まりません。
巨大隕石の熱エネルギーは膨大で、接地面の岩石は瞬時にマグマ化するほど。
平均気温がどれだけ上がるか、正直よく分からないんですよね。
その時の衝撃波は地球を何周しても収まらず、数年から数十年は時速数百から数千キロメートルの突風が吹き荒れてとても飛行機が飛べる気象条件ではないでしょう。
こういった一通りの破滅をやり過ごした後も平和は訪れません。
大気中に舞った大量のチリによって太陽光が遮られ、今度は地表が極度に寒冷化します。
今更スタッドレスに履き替えたって無駄ですよ。
逆にホコリっぽい大気が防寒着のとなって地上の温度が保温され、海水が全部干上がる灼熱の大地と化すパターンも考えられますから。
まあとにかく、地上にい続けてもロクなことがありません。
では宇宙にあるISS、国際宇宙ステーションに引っ越しましょう。
と言いたい所ですが、あれ、意外に低い所を飛んでいます。
だいたい高度400km。ちなみに気象衛星ひまわりは高度36,000kmの静止軌道上におります。
ISSは約90分で地球を一周しているそうです。全然静止していませんね。
宇宙空間というだけで一見安全そうですが、ISSは避難先としては人類由来の破滅にのみ対応できるかもしれないと考えておいたほうが良いでしょう。
スタンドアローンで自立制御できるかどうか微妙ですし、地上の管制塔との連携が難しくなったときの保守運用が何年も持つとは思えません。
人間の定住を前提に設計された某コロニー施設レベルならワンチャンあるでしょう。
となると次は、人類の夢、月面基地ですね。
そもそも精巧に作成された映像だったという可能性を踏まえ、本当に人類は月に到達していたのかという疑問はさておき。
月なら隕石衝突もやり過ごせるかな、と思いたいですね。
しかし、地球の重力が変化して月の軌道も不安定になったら、月面基地も安住の地とはいえなくなります。
お、いえなくなります、と家無くなります、で上手いこと言ってる。
なんてねなんてね。
それでもヤバイとなると、希望と不安が入り混じった、初めてドッキドキ火星旅行が選択肢に入ってきます。
片道切符だから交通費も安く済むと思うよ。
あ、保険だから全額保険会社持ちになるのかな。
もちろん、火星までのアメニティ、宇宙食など生命維持、娯楽、コールドスリープ等々、何から何まで保険会社がお膳立てしてくれます。
でもねー。
やっぱこわいねー。
おっと、そういえば住んでいるマンションの小額短期火災保険の更新通知が届いていたのでした。
便利なことに、コンビニ払いできるようです。
更新、更新っと。
さあ、お金で安心を買いに行くとしましょうか。