会話には定型文ってありますね。冗談を言われてイマイチだった時は「その冗談、つまんないわー」だし、他のやり方が出来なかったら「仕方ないね」と慰めます。
定石をあえてひっくり返すことで面白くなった言い方をご紹介しましょう。
1.「つまる」
つまらない。それって当たり前。つまり、つまらないからといって、つまらないと言うのも、つまらない。なら、つまれば良いんです。つまり、つまる。面白くないからつまらないなら、「つまる」なら面白くなる。マジつまる。めっちゃつまる。つまりまくる。今年一番つまる。今日初めてつまった。
2.「仕方ある」
誰かが「仕方ないね」と愚痴るのを聞くたびに、いや仕方なくはないんじゃないかな、と他の方法を見出さずにはいられない性分として、ここはたとえ仕方なくとも「仕方あるね」とコメントしておきたいところ。この世は自由であり、一見して仕方ないように思えても切り込む角度を変えたり機転を効かせると拍子抜けしたようにあっさり解決するものなのです。
3.「思ってもいた」
驚いたね、そんなこと思ってもみなかった…というほど意外でもなくて、実は薄々感じていたし、思ってもいたよ。誰も口に出さないからといって思ってもいないわけではなく、一度は思って「ありえん」と却下しているだけかもしれない。「思ってもいなかったわけではない」と二重否定するよりシンプルに単純肯定している分、潔いといえます。
4.「だいじょばる」
大丈夫(肯定)→だいじょばない(否定)→だいじょばる(肯定)。次に来るのは「だいじょばらない(否定)」です。なんのこっちゃ。今や大丈夫が持つ大丈夫さには深刻な不安感が拭えません。だいじょばらなさすぎです。
5.「(真顔で)笑える」
凄み。真顔には、喜怒哀楽のどれを込めても伝わる迫力が備わっています。中でもギャップが大きいのが笑い。明らかに笑ってないのに「笑える」なんて言われた日にゃあ、こちらにとっちゃ「笑えない」ですね。否定と肯定を超えた腹芸の領域です。
6.「くだる」
くだらない。くだらなさすぎて、むしろくだる。ナンセンスな物言い、薄っぺらいオヤジギャグ、ベタすぎて風化した化石のような冗談。くだる。実にくだる。思えば、ナンセンスなことは基本的にくだらないことばかり。だからこそ全肯定して「くだる」内容を目指しています。
7.「そんなことは言った」
そんなことは言ってない。向こうも否定される前提で追及しています。ならば先取りしましょう。そんなことは言った。ああ、言ったさ。そんなことは言ってないとでもいうと思った? ざんねん、そんなこと言ってました〜! ほら、なんだか悔しい。知能の低さが分かるからこそ。開き直って肯定されたって、身もふたもない返答ですね。
やれやれ、もともと言っても言わなくても変わらないような中身のない物言い7つ。多少意味をひっくり返しても、果たして結果が変わるかどうか。しかしながら、いつもの予定調和と異なる返答